円高はいつ来る?日本の財政構造から見る円安が止まらない理由

そろそろ円高になる?
そう考える人は意外と多いのかもしれません。
最近、ドル円ポジション全体に占める円買い比率が2013年以降で最高水準に達しているというデータがあります。1ドル162円台という円安水準にあり、多くのトレーダーがそろそろ反転するかも?と考えているようです。
そんなわたしは、外為どっとコムの「らくつむ」でトルコリラ・メキシコペソ・豪ドルの積立をしており、まだ円安の流れは止まらないと思っています。
今回はそろそろ円高?という雰囲気もある中で、わたしがなぜ円安は止まらないと考えているのかをご説明したいと思います。
円高はいつ来る?短期の値動きと長期の構造
FXトレーダーの円買いポジションが積み上がっているのは事実なのかもです。ですが、これは「そろそろ反転するかも?」とか「為替介入がくるかも?」という短期的な値幅取りの思惑の話だと思います。
短期のトレーダーは、数日から数週間の値動きで利鞘を取るのが仕事。一方、わたしが見ているのは数年単位の値動き。多分ですが、見ている時間軸が違っています。
短期的には為替介入や米国の金利動向次第で、円高方向に振れる場面もあるかもしれませんが、わたしが円安トレンドが止まらないと考えている理由は、もっと構造的で簡単には変わらない要因です。
円安トレンドが止まらない理由
わたしが考える一番の理由は、日本の財政に対する信認です。
2026年、10年物国債の利回りが2.85%まで上昇し、約30年ぶりの高さらしいです。背景にあるのは、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」。
財政拡張路線が続くと、国債の発行量が増える可能性も高くなる。そういう思惑から、投資家が国債を買い控えている、もしくは国債を売っている。これが金利上昇の正体だと言われています。
国債の金利が上がるということは、市場が「この国の財政は大丈夫??」と距離を取り始めたということ。考えてみてください、破綻するかもしれない国の国債に投資したくないですよね。
となると、海外投資家は日本円の資産を持ちたくない考えます。そして円を売る圧力が強まるわけです。この流れは、邦銀のレポートでも指摘されている内容です。
個人的にもう一つ気になるのは、日銀の独立性です。高市政権は、景気のブレーキになる利上げには慎重な姿勢です。本来、中央銀行は政治から独立して物価安定を目指す立場のはず。ですが現状、政権の顔色を窺う傾向が強いように見えます。
こうした背景には、2024年8月のトラウマがあるのかも。当時、日銀が利上げに踏み切り、追加利上げに積極的な姿勢を見せた結果、日経平均は史上最大の4,451円安となり、市場へ大きなショックを与えました。
こうした経緯もあり、利上げに慎重な日銀と、財政規律より積極財政という高市政権。どう考えても円の価値を守る方向に動かないんじゃないかと思ってしまいます。
なぜ円安が止まらない?選挙システムの限界
この仕組みは正直複雑です。日本国民としては、過度な円安で物価が上がり、生活が苦しくなる未来を望む人はいないと思います。
ですが、現状の選挙システムと、その結果選ばれる政治家の役割を考えると、簡単には止まらない理由も見えてきます。政治家は、数年ごとの選挙で選ばれる職業です。そのため、基本的に次の選挙で評価されるような施策に注力します。
一方で、財政健全化のような痛みを伴い中長期で取り組むべき政策は、必要だとわかっていても実行されません。痛みを負担させられる有権者からは支持を得られず、短期間で結果も出ない。故に次の選挙で職を失う可能性が高くなるからです。
だから政治家は積極財政やばら撒きといった、有権者にわかりやすい施策ばかり実行ししようとします。これは政治家の資質や善悪の問題というより、選挙という意思決定システムの限界だと思います。
だからこの財政悪化・円安トレンドが変わる可能性は低いというのがわたしの見解です。
わたしが外貨を積み立てる理由
これまで見てきた通り、円の価値は長期的に低下していく可能性が高いです。
だからといって、政治や日銀の判断を批判しても意味はありません。わたしたちがやるべき事は、そんな状況の中で自分たちの資産をどのように守り・増やすかを考えることではないでしょうか?
わたしがドル建ての米国株に投資し、らくつむでトルコリラ・メキシコペソ・豪ドルを積み立てているのは、この構造を前提にした資産形成です。円の価値が低下していく中でも、外貨を持つことで資産を守り・増やすことができます。
短期的な円高はノイズ。わたしが見ているのは、この国の財政構造そのものですから。
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