トルコリラ積立は本当に稼げるのか|スワップvs為替下落、損益分岐点を計算してみた

「トルコリラは稼げる」と聞いて積立を始める人は多い。でも同じくらい「トルコリラで損した」という声も多い。
高スワップで有名なトルコリラですが、為替が下落し続けているという現実もあります。スワップで稼いでも、為替差損で相殺されてしまうのではないか。その疑問に、実際に数字で答えてみます。
結論から言うと、スワップが勝つ年もあれば為替が勝つ年もある。ただし、積立という手法には、単純保有とは違う構造的なメリットがあります。
わたし自身、らくつむでトルコリラを毎日200円ずつ積み立てています。実際にスワップを受け取りながら、そのリアルをこのブログで公開していきます。
トルコリラのスワップはどのくらい受け取れるか
トルコリラが積立FXで人気の理由は、スワップポイントの高さです。
らくつむ(外為どっとコムの積立サービス)のトルコリラ/円のスワップポイントは1通貨あたり1日0.00261円。これは政策金利37%という水準から生まれる高スワップです。
実際にわたしの設定(200円/日・レバレッジ1倍)で1年間積み立てた場合のシミュレーションをしてみます。
まず積み上がる通貨量です。1トルコリラは現在約3.44円なので、200円で約58通貨を毎日買い付けます。年間250営業日で積み上がる通貨量は約14,535通貨です。
この14,535通貨に対して、365日スワップが付与されます。
14,535通貨×0.00261円×365日=約13,846円
投資額50,000円(200円×250日)に対して、スワップ利回りは約27.7%です。
高金利通貨の積立として、これは非常に魅力的な数字です。
ただし、トルコリラが下落すると保有通貨の評価額が下がるため、スワップで稼いだ分が為替差損で相殺される可能性があります。次章で、その損益分岐点を計算してみます。
トルコリラはどのくらい下落してきたか
トルコリラの下落は有名です。2007年10月に99円台を記録した後、下落基調で推移して現在3.4円台。この期間で対円の通貨価値は96%が失われています。
ただし、これは約20年間の話。実際の積立投資では「年間の下落率がどのくらいだったか」が重要です。
直近の年間下落率を概算すると、
- 2021年:約40〜50%下落(約13円台→約8円台)
- 2022年:約20〜30%下落(約8円台→約6円台)
- 2023年:約15〜20%下落(約6円台→約5円台)
- 2024年:約15〜20%下落(約5円台→約4円台)
スワップ利回り27.7%と比較すると、2021年・2022年のような急落局面ではスワップが負け、2023年・2024年のような緩やかな下落局面ではスワップが勝つという構図です。
ただし、トルコのインフレ率は2024年5月の75%をピークに30%台まで低下してきています。
インフレが高いほどリラの購買力が落ちて通貨安が進みやすい構造となるため、インフレ鎮静化はリラ安の速度を緩める方向に働きます。
そのため、2021年のような急落の連鎖は以前より起きにくくなっていると言えます。ただし、政治リスクや地政学リスクは依然として残っており、楽観できる状況でもありません。
トルコリラの損益分岐点はどこか?
スワップ利回り27.7%に対して、為替下落が27.7%を超えると損益がマイナスになります。
2023年・2024年の下落率(15〜20%)であればスワップが勝ち、2021年・2022年の急落局面(40〜50%)であれば為替が勝つという計算です。
ただし、積立には単純保有と違う構造的なメリットがあります。
毎日買い付けることで、リラが下落するほど取得単価が下がります。1リラ5円のときに買った分と、3円に下落してから買った分では取得単価が違う。下落が続くほど平均取得単価が切り下がり、損益分岐点も下がっていく。これがドルコスト平均法の効果です。
具体的に言うと、積立開始から時間が経つほど「高値で買った分」より「安値で買い続けた分」の比率が増えていきます。長期積立になるほど為替下落リスクが軽減される仕組みです。
さらに、積み上がった通貨量が増えるほどスワップ収入も増えていきます。1年目のスワップが約13,846円でも、2年目以降は保有通貨残高が増えてスワップが雪だるま式に増えていく。時間が経つほどスワップが為替下落に対して優位になっていきます。
結論として、短期では為替が勝つ年もある。ただし、長期で積み立て続けることで、スワップが為替下落を上回る可能性が高まっていきます。
今後のトルコリラはどうなるか
トルコリラは長期下落トレンドが続いてきました。ただひとつ重要な問いがあります。「すでに大幅に下落したリラが、今後も同じ速度で下落し続けるのか?」という点です。
2007年に99円台だったリラが現在3.4円台。96%の価値が失われています。同じ速度でさらに下落するとしたら、計算上ほぼゼロに近づいていく。それが本当に起きるのかどうかは、トルコの財政・金融政策の方向性を見る必要があります。
ポジティブな変化
トルコのインフレ率は2024年5月の75%をピークに30%台まで低下しており、インフレ鎮静化に向けた政策転換が進んでいます。トルコ政府の中期プログラムでは、2026年までにインフレ率を15%未満に抑えることを目標としており、財政規律の強化も進めています。インフレが鎮静化すれば、リラ安の主因が弱まります。
残るリスク
ただし残るリスクもあります。エルドアン大統領は過去に「高金利は悪」という独自の経済観から中央銀行総裁を何度も更迭してきた経緯があり、政治判断で金融政策が歪められるリスクは消えていません。
また、トルコはロシア・ウクライナ・中東と隣接しており、地政学的な緊張が高まるたびにリラが急落する構造も続いています。
楽観はできませんが、2021年のような急落が毎年続くわけではないという状況には変わりつつあります。インフレ鎮静化が進めば、リラ安のペースが緩やかになる可能性があります。
わたしがトルコリラを積み立てる理由
ここまで読んで、「リスクが高いなら買わなければいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。それは正しい判断です。トルコリラは確かにリスクの高い通貨だと思います。
ではなぜわたしが積み立てているかというと、3つの理由があります。
ひとつめは金額設定です。毎日200円、レバレッジ1倍。年間投資額は約50,000円です。仮に為替が大幅に下落しても、許容できる金額の範囲に収めています。リスクを取る金額を自分でコントロールできるのが積立FXの強みです。
ふたつめはスワップを実際に体感することです。高スワップ通貨の積立が本当に機能するのか、どのくらいのペースでスワップが積み上がるのか。数字を実際に受け取りながら検証していくことに意味があると思っています。このブログで毎月その記録を公開していきたいと考えています。
みっつめは積立という手法の構造的な強みです。3章で書いたように、ドルコスト平均法によって下落リスクが軽減され、長期になるほどスワップが為替下落に対して優位になっていく。時間が経過するほどに、勝算は上がっていくと考えています。
トルコリラ積立は「絶対に勝てる投資」ではありません。ただし、金額をコントロールしてリスクを限定しながら、高スワップを積み上げていく手法としては合理的だと考えています。
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まとめ
トルコリラ積立の損益分岐点を整理すると、スワップ利回り約27.7%に対して年間下落率が27.7%を超えると損益がマイナスになります。過去のデータでは、2023年・2024年の緩やかな下落局面ではスワップが勝ち、2021年・2022年の急落局面では為替が勝つという構図でした。
ただし、ドルコスト平均法の効果で長期積立になるほどリスクが軽減され、スワップが雪だるま式に増えていく構造があります。短期では勝敗が分かれますが、長期では有利になっていく仕組みです。
トルコのインフレ鎮静化が進めばリラ安のペースが緩やかになる可能性がある一方、政治リスクと地政学リスクは依然として残っています。楽観はできませんが、2021年のような急落が毎年続くわけではない状況にはなりつつあります。
高スワップを積み上げながらリスクをコントロールする。それがわたしのトルコリラ積立の理論です。
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