豪ドル積立の損益分岐点|「らくつむ」でリスクを抑えながらスワップを積み上げる方法

豪ドル積立記事アイキャッチ。らくつむでのスワップシミュレーションと損益分岐点を解説。
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豪ドルには高金利通貨というイメージがありました。ところが、調べてみると現在は米国の政策金利の方が高いという状況になっています。「豪ドルは高金利」という前提が、いつの間にか変わっていた。

それなら米ドルでいいのでは?そう思いましたが、わたしはすでにフィジカルAIインフラポートフォリオで米国株を中心に保有しています。なのでドル資産は十分。為替でまで米ドルを積み増す必要はない、という判断に至りました。

では改めて豪ドルはどうでしょう?
よく調べると、利回りベースでは豪ドルの方がまだ上回っていました。米ドルは利下げ圧力が強く、今後さらに金利が低下する可能性がある。一方、豪ドルは資源国通貨として高スワップの歴史があり、相対的な優位性はまだ残っている。

リスクについても考えました。リーマンショック時には60円を割り込む局面もあった。ボラティリティが低いとは言えない通貨です。ですが、それは米ドルも同じこと。であれば、歴史的に高スワップを維持してきた豪ドルを選ぶ方が合理的ではないか、そう判断しました。

トルコリラの高スワップ・高リスクと対極にあり、安定した中スワップ通貨として豪ドルを組み入れることがリスクヘッジとなる。それがわたしの仮説です。

今回は豪ドルの特性と損益分岐点を数字で整理してみます。

豪ドルのスワップはどのくらい受け取れるか

豪ドルが積立FXで選ばれる理由のひとつは、高スワップ通貨としての歴史です。現在は米国との金利差が縮まっていますが、それでも主要通貨の中では相対的に高い水準を維持しています。

らくつむの豪ドル/円のスワップポイントは1通貨あたり1日0.01191円。RBA(オーストラリア準備銀行)の政策金利3.60%という水準から生まれるスワップです。

実際にわたしの設定(200円/日・レバレッジ1倍)で1年間積み立てた場合のシミュレーションをしてみます。

1豪ドルは現在約114円台なので、200円で約1.75通貨を毎日買い付けます。年間250営業日で積み上がる通貨量は約437通貨です。

この437通貨に対して、365日スワップが付与されます。

437通貨×0.01191円×365日=約1,902円

投資額50,000円(200円×250日)に対して、スワップ利回りは約3.8%です。

トルコリラの約27.7%、メキシコペソの約5.9%と比べると低い数字です。ただし、豪ドルは1通貨あたりの単価が高いため、同じ200円でも取得できる通貨量が少なくなります。スワップの絶対額は小さくなりますが、その分為替の安定性に期待する通貨です。次章でその値動きの特性を確認します。

豪ドルの値動きはどんな特性があるか

豪ドルとトルコリラ、メキシコペソの最大の違いは値動きの安定性です。

トルコリラは長期的な下落トレンド、メキシコペソは上下を繰り返しながら米国の政策に敏感に反応する。
一方の豪ドルは、その中で最も安定した動きをしてきました。直近の年間騰落率を見るとその特性がよくわかります。

  • 2021年:約+5〜7%上昇(約82円台→約84円台)
  • 2022年:約+10〜15%上昇(約84円台→約93円台)
  • 2023年:約+10〜15%上昇(約88円台→約98円台)
  • 2024年:ほぼ横ばい(約98円台→約96円台)
  • 2025年:乱高下(年間安値87円台後に114円台まで上昇)

2021年から2023年まで3年連続で上昇し、2024年はほぼ横ばい、2025年は乱高下という動きです。トルコリラのように一方的に下落し続けることもなく、メキシコペソのような急落もない。これが豪ドルの特徴です。

ただし「安定している」と言い切れないケースもあります。歴史的には、リーマンショック時に60円を割り込む急落がありました。世界的なリスクオフの局面では資源国通貨として売られやすい側面もあります。その点は念頭に置いておく必要があります。

2025年の乱高下はトランプ関税による世界的なリスクオフの動きが主な原因でしたが、その後114円台まで回復しています。短期的なショックには弱いが、回復力もある。それが豪ドルという通貨の特性です。

次章でスワップ利回りに対する損益分岐点を整理します。

豪ドルの損益分岐点はどこか

数値だけみると、スワップ利回り3.8%に対して、為替下落が3.8%を超えると損益がマイナスということになります。

トルコリラの27.7%、メキシコペソの5.6%と比べると、損益分岐点の水準がさらに低い。少しの下落でスワップが負けてしまうように見えます。ただし、3章で確認したように豪ドルは2021年から2023年まで3年連続で上昇しています。スワップ利回りを大きく上回る為替差益を得られる年もある通貨です。

メキシコペソと同様に、上昇局面ではスワップと為替差益の両取りができます。2024年のようにほぼ横ばいの年はスワップがそのまま利益になる。下落局面ではドルコスト平均法で取得単価を切り下げながら耐える。リーマンショック級の急落が来れば話は別ですが、通常の値動きの範囲であれば3通貨の中で最も損益分岐点を意識しなくていい通貨とも言えます。

つまり、豪ドルの損益分岐点も単年で考えることにあまり意味がありません。上昇局面での両取り、横ばい局面でのスワップ積み上げ、下落局面でのドルコスト効果。時間をかけるほど損益分岐点は有利な方向に傾いていく。この構造はメキシコペソと同じです。

ただし豪ドルには、3通貨の中で最も為替の安定性が高いというもうひとつの強みがあります。スワップ利回りは低くても、為替で大きく削られるリスクが相対的に低い。3通貨ポートフォリオの中で緩衝材として機能するのが豪ドルの役割です。

今後の豪ドルはどうなるか

豪ドルの今後を考えるとき、最も重要な変数はRBA(オーストラリア準備銀行)の金融政策です。

RBAは2025年に3回の利下げを実施し、政策金利は3.60%まで引き下げられました。わたしが積立を始めた頃の「利上げ検討」という話はこの流れの中にあります。ただその後、インフレ圧力の高まりと個人消費の堅調さを背景に、再び利上げの可能性が議論される局面に転じています。2026年に入ってRBAは再利上げに動いており、日銀よりも利上げペースが早いことから、金利差拡大による豪ドル高・円安の流れが続きやすい状況です。

積立FXという観点では、RBAが利上げ方向に転じることはスワップポイントの上昇につながります。現在3.60%の政策金利がさらに上昇すれば、スワップ利回りも改善する可能性があります。

リスクとしては中国経済との連動性が挙げられます。オーストラリアの最大の貿易相手国は中国であり、中国経済の減速は資源需要の低下を通じて豪ドルの下落要因になりえます。ただ、近年は外交関係の正常化と鉄鉱石価格の上昇により、チャイナリスクは以前より後退しつつあります。

3通貨の中で最も安定した値動きをしてきた豪ドルが、利上げ局面でスワップも改善するとすれば、積立対象としての魅力はさらに高まる方向にあります。

わたしが豪ドルを積み立てる理由

ここまで読んで、「スワップ利回り3.8%なら他の通貨のほうがいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。それは正直な疑問だと思います。

なぜわたしが積み立てているかというと、3通貨ポートフォリオの中で豪ドルが果たす役割があると判断したからです。

トルコリラは高スワップですが通貨安リスクが高い。メキシコペソは中スワップで米国経済と連動しながら上下する。豪ドルはその中で最も安定した値動きをしてきた通貨です。スワップ利回りは3通貨の中で最も低いですが、為替で大きく削られるリスクも低い。ポートフォリオ全体のリスクを抑える緩衝材として機能することを期待しています。

実際のところ、積立を始めて半月の実績を見ると、その仮説は今のところ機能しています。スワップは8円と小さいですが、為替評価額は+31円とプラスになっています。トルコリラが-86円、メキシコペソが-18円であるのに対して、豪ドルはプラスで3通貨全体の損失を緩和してくれています。まだ半月という短期間なので判断するには早いですが、期待通りの動きをしてくれています。

金額設定はトルコリラ・メキシコペソと同じく毎日200円、レバレッジ1倍です。
3通貨合わせて年間約150,000円の積立になります。シミュレーション上のスワップ合計は年間約18,675円、投資額に対する利回りは約12.5%です。許容できる金額の範囲で、リスクを分散しながらスワップを積み上げていく。それがわたしのスタイルです。

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まとめ

豪ドルは3通貨の中で最もスワップ利回りが低い通貨です。ただし、最も安定した値動きをしてきた通貨でもあります。

上昇局面ではスワップと為替差益の両取り、下落局面ではドルコスト平均法で取得単価を切り下げながら耐える。時間をかけるほど損益分岐点は有利な方向に傾いていく。この構造はメキシコペソと同じです。

RBAが再利上げに向かう局面では、スワップポイントの改善も期待できます。中国経済というリスクは残りますが、近年はチャイナリスクが後退しつつある。3通貨の中で最も楽観的に見られる通貨かもしれません。

安定した緩衝材として、ポートフォリオ全体のリスクを抑えながらスワップを積み上げる。それがわたしの豪ドル積立理論です。

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さよすけ
さよすけ
未来投資ストラテジスト
高配当株中心のなんとなく投資から、フィジカルAIインフラへの長期集中投資へとスタイルを転換。日本株・米国株・仮想通貨・外貨積立を組み合わせながら、「未来に保有する理由がある銘柄」だけを厳選するポートフォリオを実践中。自身の運用経験と思考プロセスをそのまま発信しています。
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