THK vs ナブテスコ|ロボットを動かす2つの軸、わたしが両方買った理由

THKとナブテスコの比較記事|ロボット部品2社をセットで買った理由
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ロボットが動くとき、何が起きているか。

関節が回転し、アームが伸び、台車が走る。その動きを分解すると、2つの運動に行き着きます。直線運動と回転運動です。

THKはLMガイドで直線運動を担い、ナブテスコは精密減速機で回転運動を精密にコントロールする。この2社がいれば、ロボットの「動き」が成立します。

わたしがこの2社をセットで買ったのは偶然ではありません。THKを調べていたとき、同時にナブテスコの精密減速機の重要性に気づいた。直線と回転、2つの軸でロボットインフラを抑えられると確信したからです。

ただ、当然他の銘柄も検討しました。例えば、ハーモニック・ドライブ・システムズ、日本精工。なぜその2社を選ばず、THKとナブテスコを選んだのか。今回はその選定理由を書いていきます。

共通点|なぜフィジカルAIに欠かせないのか

THKとナブテスコ、2社の製品は異なりますが、フィジカルAIとの関係という点では同じ構造を持っています。

ロボット1台に、THKのLMガイドとナブテスコの精密減速機が複数個使われます。
ロボットが1台増えるたびに、両社の需要が同時に増えていく。ロボットが100万台になれば、100万台分の直線運動部品と精密減速機が必要になる。

これがわたしのオリジナルポートフォリオ「さよ11」の思想「端末ではなくインフラを抑える」と一致する理由です。どのメーカーのロボットが普及しようと、その中に必ずこの2社の部品が入っている。ファナックのロボットでも、安川電機のロボットでも、テスラのOptimus でも同じです。

半導体でいえば、どのAIチップが勝とうとSNPSの設計ツールが必要なのと同じ構造です。インフラを握る会社は、端末の勝者がどこになっても恩恵を受けます。

フィジカルAIが普及するほど、この2社の需要は増えていく。それがわたしがセットで保有する根拠です。

なぜハーモニック・日本精工を選ばなかったか

同じロボット部品の文脈で、ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)と日本精工(6471)も検討しました。結論から言うと、どちらも見送りました。その理由を正直に書きます。

ハーモニック・ドライブ・システムズ

ハーモニックは波動歯車減速機を手がける会社で、ナブテスコとは異なるタイプの精密減速機を作っています。特に小型ロボット・協働ロボット向けで強みを持ち、ヒューマノイド向けでも注目されている銘柄です。

フィジカルAIとの文脈では十分に魅力的な会社です。ただ購入を見送った理由がひとつあります。EPS(1株利益)が長年にわたって極めて低い水準で推移していた点です。

原因は産業用ロボット向け需要の急減による在庫調整です。ナブテスコも同じ在庫調整の影響を受けましたが、ナブテスコは鉄道・航空・自動ドアという多角化事業が下支えして一定の利益を確保し続けました。一方、ハーモニックは減速機一本に近い構造のため、在庫調整の影響が大きくEPSがほぼゼロまで落ちました。

厳しい状況でも稼ぎ続けられるかどうか。そこがナブテスコを選んだ理由です。

日本精工

日本精工はボールねじ・軸受の大手で、THKと事業が重なる部分があります。ヒューマノイド向けボールねじという成長テーマもあり、PBRは1倍割れと割安に見えました。

ただROEが約1〜2%台という水準が気になりました。自動車向け軸受への依存度が高く、構造的に収益性が上がりにくいビジネスです。さらにNTNとの経営統合という不確実性も加わります。

THKはボールねじ・LMガイドに特化した高収益メーカーで、フィジカルAI純度が高い。日本精工と比べると、THKの方が確信を持てる投資対象でした。

業績比較|2社とも「嵐を越えた」

THKとナブテスコ、2社の業績推移には共通のパターンがあります。どちらもコロナ後の在庫調整という嵐を経験し、そこから回復軌道に入っているという点です。

THK

2025年12月期に構造改革費用と持分法投資損失の計上で698億円の最終赤字に転落しました。数字だけ見ると衝撃的ですが、本業であるLMガイドの世界シェアは変わっていない。2026年12月期は215億円の黒字への急回復が見込まれています。

ナブテスコ

2023〜2024年にかけてコロナ禍のロボット投資急増の反動で精密減速機の需要が急減しました。ただし多角化事業が下支えして一定の利益を確保。Q1 2026は売上高16.9%増・営業利益68.3%増と急回復しています。

2社に共通する構造

どちらも「一時的な要因で売られた」というピーター・リンチ流の発見でした。本業の競争力は何も変わっていない。市場が数字の見た目で売ったところを拾う。

THKは構造改革費用という一時的な赤字、ナブテスコは在庫調整という業界全体の問題。
どちらも本質的な競争力の毀損ではないという判断が、購入の決め手です。

THKとナブテスコの投資判断はこちら

THKとナブテスコの個別分析・取得単価・保有状況・売りを検討するシナリオについては、それぞれの記事で詳しく書いています。

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まとめ

ロボットが動くには、直線運動と回転運動の両方が必要です。
THKがLMガイドで直線を担い、ナブテスコが精密減速機で回転を精密にコントロールする。この2社でロボットの「動き」が成立します。

どのメーカーのロボットが普及しようと、その中に必ずこの2社の部品が入っている。フィジカルAIが普及するほど、2社の需要は増えていきます。

2社とも在庫調整や構造改革という嵐を越えて、業績は回復軌道に入っています。ピーター・リンチ流の投資哲学が、この2社との出会いをくれました。

わたしの投資哲学についてはこちらの記事をご覧ください。

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さよすけ
さよすけ
未来投資ストラテジスト
高配当株中心のなんとなく投資から、フィジカルAIインフラへの長期集中投資へとスタイルを転換。日本株・米国株・仮想通貨・外貨積立を組み合わせながら、「未来に保有する理由がある銘柄」だけを厳選するポートフォリオを実践中。自身の運用経験と思考プロセスをそのまま発信しています。
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