コーニング(GLW)|光ファイバーの素材を握る、AIインフラの見えない主役

日本では2024年後半からフジクラや住友電工の株価が急騰しました。
AIデータセンター向けの光ケーブル需要が爆発的に増えている、というのがその理由です。わたしはその急騰を見ながら、少し違う場所に注目していました。
「その光ファイバーの素材を作っているのは誰か?」というところです。
答えがコーニング(GLW)でした。
GLWはさよ11の中で、わたしが最も「割高でも気にならない」と感じている銘柄のひとつです。現在のPERは64倍。通常であれば躊躇する水準です。
ただ、わたしの投資哲学は「未来に理由があれば割高でも買う」。
GLWにはその理由が十分にあります。
現在の保有額は約5000ドル、平均取得単価は約140ドル前後です。さよ11のセンサー・接続層の中で、COHRと並んで光通信インフラの核を担う銘柄として位置づけています。
GLWとはどんな会社か
コーニング(GLW)は、ニューヨーク州コーニングに本社を置く素材・光学技術の世界的大手です。創業1851年、170年以上の歴史を持ちます。2025年通期売上高は約164億ドルで、前年比13%増を記録しました。
「コーニング」という名前に聞き覚えがない方も、iPhoneの画面に使われている「ゴリラガラス」はご存知かもしれません。そのゴリラガラスを作っている会社です。ただ投資家として注目すべきは、売上の約40%を占める光通信セグメントです。
光ファイバー・ケーブル・接続部品を設計・製造しており、AIデータセンターや通信インフラを支える素材を世界中に供給しています。フジクラや住友電工が光ケーブルを作るなら、GLWはその素材となる光ファイバー自体を作る会社です。
川下が恩恵を受けるなら、川上を握るGLWはもっと恩恵を受けるでしょう。
2024年に発表した成長戦略「Springboardプラン」は、2028年末までに年換算売上を約240億ドルまで引き上げるという野心的な計画です。2023年Q4時点の約131億ドルからほぼ倍増を目指しています。
AIインフラ需要を受けて、すでに目標を上方修正しており、着実に前倒しで達成しています。
なぜフィジカルAIに欠かせないのか
フィジカルAIが普及するということは、膨大なデータをリアルタイムで処理・伝送する需要が爆発的に増えるということです。ロボットが現場で動き、自動運転車が走り、スマートファクトリーが稼働する。その全てのデータが、光ファイバーを通じて流れていきます。
GLWが強いのは、この光ファイバーの素材を作っている点です。データセンター間をつなぐ幹線、ビル内の高速通信、工場のFA機器間の接続。
用途は違っても、光ファイバーが必要なところにGLWがいます。
さらにGLWが注目しているのは、データセンター内部の接続需要です。従来の光ファイバーより2〜4倍の密度でケーブルを敷設できる新世代の「Gen AI fiber」を開発しており、AIデータセンターの高密度化という需要にそのまま応えられる技術を持っています。
わたしがGLWに超長期で期待しているのは、データセンターだけではありません。6G通信の整備、スマートシティのインフラ、フィジカルAIが社会実装されていく過程で、光ファイバーの需要は世界規模で増え続けます。どの国でも、どの産業でも、通信インフラを整備するときに必ずGLWの出番が来る仕組みです。
Metaとの60億ドル契約という上振れ余地
GLWの成長を語るうえで外せないのが、2025年1月に発表されたMetaとの多年度・最大60億ドルの契約です。MetaのAIデータセンター向けに、GLWの最新光ファイバー・ケーブル・接続ソリューションを供給するという内容です。
この契約の規模感を伝えると、GLWの2025年通期売上高は約164億ドルです。Metaとの契約額は最大60億ドルで、複数年にわたって売上に計上されていきます。単一顧客との契約としては異例の規模です。
さらに注目すべきはMetaだけではないという点です。LumenテクノロジーズはすでにGLWのグローバル光ファイバー生産量の10%を2025〜2026年に予約しています。Meta・Microsoft・Google・Amazonといったハイパースケーラーが2026年にAIインフラへ数千億ドルを投じる中、その「配管」を担うGLWへの需要は積み上がり続けています。
GLWは素材メーカーとして長年堅実に事業を続けてきた会社ですが、AIインフラの主役級サプライヤーとして急速に再評価されています。わたしがPER64倍でも割高と感じない理由のひとつが、この需要の強さです。
直近業績|Springboard前倒し達成、そして新たな超大型契約
2025年通期売上高は約164億ドル(前年比13%増)、コアEPSは前年比29%増の2.52ドルと過去最高を記録しました。
そして2026年Q1はさらに加速しました。売上高43.5億ドル(前年比18%増)、コアEPSは30%増の0.70ドルで、ガイダンス上限に着地しました。光通信セグメントは36%増、Springboard開始以来コア売上33%増・コアEPS79%増という驚異的な成長を達成しています。
さらに重要なニュースがあります。Q1 2026にMetaとの60億ドル契約に匹敵する規模・期間の超大型契約を、新たに2社のハイパースケーラーと締結しました。つまり今や60億ドル規模の超大型契約が3本走っている状態です。
数字が示す通り、GLWの成長はまだまだ途上と言えます。
わたしの投資判断基準
わたしの投資哲学についてはこちらの記事で書いています。その基準に照らして、GLWは未来に保有する理由が最も明確な銘柄のひとつです。
現在のPERは64倍。通常であれば躊躇する水準です。ただ、わたしはこの数字を見て割高とは感じていません。理由はシンプルで、需要の構造が変わらないからです。
データセンターが増えれば光ファイバーが必要になる。6Gが整備されれば光ファイバーが必要になる。フィジカルAIが社会実装されれば光ファイバーが必要になる。どのシナリオでもGLWの出番が来る。
この確信がある限り、PERは判断の軸になりません。
さよ11の中でも、GLWは最も早く成果が出ると期待している銘柄です。フジクラや住友電工の株価急騰は、その予兆にすぎないとわたしは見ています。川下が動いているなら、川上はもっと動く。
逆に売りを考えるとしたら、光ファイバーに代わる通信インフラが主流になった場合です。ただ現状ではその可能性は極めて低い。6Gの時代においても光ファイバーは基幹インフラであり続けます。
まとめ
コーニング(GLW)は、光通信インフラの素材を握る会社です。
フジクラや住友電工が光ケーブルを作るなら、GLWはその素材となる光ファイバー自体を作る。川下が恩恵を受けるなら、川上はもっと恩恵を受ける構造です。
PER64倍は確かに割高に見えます。ただ、わたしは気にしていません。
データセンターでも6GでもフィジカルAIでも、光ファイバーが必要な場所に必ずGLWがいる。
この需要の構造が変わらない限り、保有し続けます。
Metaを含む3社との超大型契約、Springboard前倒し達成、光通信セグメントの加速。数字はすでに動き始めています。さよ11の中で最も早く成果が出ると期待している銘柄です。
さよ11の全体像については、こちらの記事をご覧ください。

次回はCOHR(コヒレント)の分析を書いていきます。




