オプテックスグループ(6914)|世界80カ国以上に展開するグローバルニッチセンサーメーカー

あるとき、海外で稼ぐ会社を探していました。
国内市場だけで戦っている会社ではなく、世界に製品を売り、現地で評価されている会社。そして、できれば大手が参入しにくいニッチな領域で強みを持っている会社。
そういう軸で日本株を調べていたとき、オプテックスグループ(6914)に行き着きました。
防犯センサー、自動ドアセンサー、工場の自動化に使うセンサー。
地味といえば地味な製品です。でも世界80カ国以上に販売し、海外売上比率は52%を超えている。屋外用防犯センサーと自動ドアセンサーでは世界首位級のシェアを持つ。
知名度は高くない。でも、世界中の建物や工場に、この会社のセンサーが組み込まれている。
その後、さよ11を考えるようになって気づいたことがあります。センサーという文脈で、オプテックスGはフィジカルAIとも繋がっていた。TDYとは領域が違います。
でも「物理世界を感知する」という本質は同じです。
さよ11には入れていませんが、長期サテライト枠として保有を続けています。
保有株数は300株、取得単価は約1,640円です。
オプテックスグループとはどんな会社か
オプテックスグループ(6914)は、1979年に滋賀県大津市で創業したセンサーメーカーです。東証プライム上場。2025年12月期の売上高は約658億円。
「見えないものを、見るしごと。」というキャッチフレーズが、この会社の本質を表しています。人や車両の動き、侵入者、工場の製品の欠陥。目では捉えにくいものを、センサーで検知・計測する技術を核に事業を展開しています。
事業は大きく2つに分かれています。防犯・自動ドア・車両検知などを手がける「SS事業(センシングソリューション)」と、工場の自動化・検査に使うセンサーや装置を提供する「IA事業(インダストリアルオートメーション)」です。売上構成比はSS事業が約44%、IA事業が約54%で、両事業がほぼ同水準の利益を出すバランスの取れた構造になっています。
グループ全体の方針として掲げているのが「グローバルニッチNo.1」という言葉です。特定の領域で世界首位を目指す。そのために、M&Aも活用しながら事業を積み上げてきました。屋外用防犯センサーと自動ドアセンサーでは、すでに世界トップ級のシェアを握っています。
なぜ海外で強いのか
オプテックスGの売上の約52%は海外です。世界80カ国以上に製品を届けています。日本の中小型株でこの比率を持つ会社は多くありません。
その強さの背景にあるのが、「グローバルニッチ」という戦略です。市場全体を狙うのではなく、特定の領域で世界首位を取りにいく。大手が参入しにくい、ニッチな領域に深く入り込む。この戦略が、欧米を中心とした海外市場での強固な地位を作ってきました。
海外展開を支えているのは、物流インフラでもあります。
欧州・香港・日本・北米の世界4極にハブ倉庫を設置し、世界中の顧客に迅速に製品を届ける体制を整えています。センサーという製品の性質上、納期の遅れは顧客の現場に直結します。このサプライチェーンの作り込みが、グローバルでの信頼につながっています。
もうひとつ、注目しているのが「モノ売り」から「ソリューション提供」への転換です。センサー単体を売るだけでなく、顧客の課題を解決するシステムごと提供する。防犯分野では北米・欧州向けにサブスクリプション型のビジネスも展開しています。センサーを売り切りで終わらせない、継続的な収益モデルへのシフトが進んでいます。
フィジカルAIとの接点|3つのセンサー企業の棲み分け
センサーという言葉でひとくくりにされがちですが、わたしが保有している3つの会社はそれぞれ違う層にいます。
日本セラミックは、赤外線センサーの「素子」を作る会社です。世界シェア約60%を持つ部品メーカーで、家電や自動車に組み込まれる超小型センサー素子が主力。川上の会社です。
オプテックスGは、その川下にいます。センサー素子を使って、防犯システム・自動ドア・工場の自動化装置という完成品・ソリューションを作り、世界の現場に届ける会社です。日本セラミックの素子がオプテックスGの製品に組み込まれている可能性も十分あります。
TDYはまた別の軸にいます。イメージングセンサーと精密計測が核で、防衛・宇宙・半導体検査といった極限環境・高付加価値領域が主戦場です。産業用マシンビジョンにも展開していますが、求められる精度と用途がオプテックスGとは異なります。
整理するとこうなります。
日本セラミックが「素子を作る」、オプテックスGが「素子を使って現場に届ける」、TDYが「極限環境で高精度に見る」。三者は競合ではなく、それぞれ異なる層で異なる役割を担っています。
日本セラミックの詳細はこちらの記事をご覧ください。

フィジカルAIが普及する世界では、この3つの層すべてで需要が増えます。工場が自動化されるほど、センサー素子の需要も、センサーシステムの需要も、高精度イメージングの需要も増えていく。わたしが3社を別々の文脈で保有していることには、結果的に理由があったということです。
直近業績|過去最高を更新した数字
2025年12月期の通期決算は、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。売上高は前年比4.1%増、営業利益は同14.5%増。
営業利益は会社予想も上回りました。
牽引したのはSS事業です。防犯関連では大型重要施設向けの受注が堅調に推移し、車両検知センサーも国内外で好調でした。価格改定の効果も加わり、粗利率が改善。財務面では自己資本比率72.4%という堅牢な水準を維持しています。
一方でIA事業は明暗が分かれました。FAセンサーや検査用照明は増収でしたが、EV向け二次電池製造装置が車載電池市場の供給過剰で伸び悩み、産業用PCも半導体製造装置向けの在庫調整の影響を受けました。ただ、これは業界全体の問題であり、構造的な問題ではありません。
2026年12月期の会社予想は売上高690億円(前年比4.7%増)、営業利益88億円(同7.9%増)。中期経営計画では2028年12月期に売上高800億円・営業利益115億円、さらに2030年12月期には売上高1,000億円・営業利益150億円という長期目標を掲げています。
わたしの投資判断基準
わたしの投資哲学についてはこちらの記事で書いています。その基準に照らすと、オプテックスGは未来に保有する理由がある銘柄です。
「海外で稼ぐニッチな会社」という軸で選んだ会社が、後からフィジカルAIのセンサー文脈とも繋がっていた。投資の入口は違いましたが、保有し続ける理由は増えています。
現在のPERは約17倍前後で推移しており、さよ11の銘柄と比べると割安に見えるかもしれません。ただ、PERは判断の軸としていません。世界80カ国に展開し、防犯・自動ドアセンサーで世界首位級のシェアを持ち、積層型M&Aで市場の変化に対応し続けてきた会社です。
特に注目しているのが、このM&Aの柔軟性です。オプテックスGはセンサー周辺の技術や事業会社を継続的に買収し、「センサー企業からソリューション企業へ」と自分自身を変えてきました。フィジカルAIの波が現場に届いたとき、M&Aでその領域に入り込んでいく可能性があります。現時点でフィジカルAIを直接狙っているわけではありませんが、市場の需要が向かう先に動ける体制は整っています。
逆に売りを考えるとしたら、海外市場での競争力が失われた場合、あるいはニッチな領域に大手が本格参入してきた場合です。ただ、長年かけて積み上げてきた顧客との関係とスイッチングコストの高さを考えると、その可能性は現状では見えません。
保有株数は300株、取得単価は約1,640円。市場での競争力が変わらない限り、長期保有を続けます。
まとめ
オプテックスグループ(6914)は、世界80カ国以上にセンサーを届けるグローバルニッチ企業です。防犯・自動ドアセンサーで世界首位級のシェアを持ち、海外売上比率は52%を超えています。
わたしがこの会社を選んだのは、「海外で稼ぐニッチな会社」という軸からでした。
その後、さよ11を考えるようになって気づいたことがあります。センサーという文脈で、オプテックスGはフィジカルAIとも繋がっていた。
日本セラミックが「センサー素子を作る」川上の会社なら、オプテックスGはその素子を使って「現場にソリューションを届ける」川下の会社です。TDYは極限環境での高精度イメージングという別の軸にいます。三者は競合ではなく、それぞれ異なる層でセンサーの世界を支えています。
積層型M&Aで事業を広げてきたこの会社が、フィジカルAIの波が現場に届いたとき、どう動くか。それがいまのわたしの注目点です。
「フィジカルAIインフラ」に興味がある方はこちらの記事をご覧ください。

次回も個別銘柄の分析を書いていきます。


