NISAで始める金(ゴールド)投資|円安・物価高に強い守りの資産と分散ポートフォリオの作り方

🪙 はじめに|円安と物価高の時代、「お金の価値」を守る資産とは
2025年、円安と物価上昇が同時に進行しています。
スーパーの食材から電気代、ガソリンまで、暮らしに直結する価格がじわじわ上がる一方で、給与水準はほとんど変わっていません。
つまり、「円の価値」が静かに目減りしているということ。
💬 銀行に預けているだけでは資産が減っていく時代です。
そんななかで注目されているのが、「ゴールド(金)」という守りの資産。金は世界共通の価値を持ち、インフレや通貨安に強い特性を持っています。
とくに最近では、NISA・投資信託・ETFを通じて金に投資する人も増えています。
資産を守りながら、長期で育てる。それが「防衛型ポートフォリオ」の第一歩です。
💡この記事でわかること
- なぜ今「金(ゴールド)」が注目されているのか
- 円安・インフレに強い資産の条件
- ゴールド投資の始め方(実物/投信/ETF)
- NISAで投資する場合の注意点
👉 結論を先に言うと
ゴールドは値上がりを狙う資産ではなく、価値を守る資産。円安や物価高の波の中で、あなたの資産を守る盾になります。
金(ゴールド)が「インフレに強い」といわれる理由
ゴールド(金)は、世界中で通貨の価値が下がるときに上がりやすい資産です。
なぜなら、金はどこの国でも「信用の裏づけ」を必要とせず、人々が紙幣より信頼できる価値として買うものだからです。
物価が上昇する(=インフレが進む)と、各国の通貨の購買力が下がり、人々は安全資産としてゴールドに資金を移します。
その結果、金の価格が上がりやすくなります。
💬 実際、過去10年間の金価格を見ても、円安やインフレが進行する局面では、ほぼ例外なく金価格は上昇しています。
たとえば
- 2022〜2025年:円安進行・エネルギー高騰 → 金価格は過去最高を更新
- 2008年リーマン後・2020年コロナショック時も安全資産として上昇
金は「経済の不安定さ」が高まるほど、相対的に価値が上がる。これがインフレに強いと言われる根拠です。
💡 ポイント
- 金は国や通貨に依存しない「価値の保存資産」
- 物価上昇・通貨安の局面で買われやすい
- 世界共通で取引され、流動性が高い
👉 銀行預金のような固定された円を減らし、一部を金(ゴールド)などの実物資産に置き換えるだけで、「円安 × インフレ」に対する防衛力が一気に高まります。
金(ゴールド)に投資する3つの方法
金(ゴールド)への投資と聞くと、「金の延べ棒を買うの?」と思う人も多いかもしれません。ですが、いまは実物を持たなくても、手軽に金へ投資できる方法がいくつもあります。
代表的なのは次の3つです👇
① 実物(金地金・コイン)を保有する
最もシンプルでわかりやすいのが、金そのものを持つ方法です。
田中貴金属や三菱マテリアルなどの店舗・ネット販売で購入できます。
メリット
- 世界どこでも通用する「実物資産」
- 為替や株価に左右されにくい
デメリット
- 保管・盗難リスク(貸金庫や保険が必要)
- 少額からの分散がしにくい
👉 「資産の一部を現物で持ちたい」という人に向く選択です。
② 投資信託で持つ(ピクテ・ゴールドなど)
投資信託を通じて金価格に連動するファンドを購入する方法。
有名なのは「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」などで、NISAでも購入可能です。
メリット
- 1万円程度から手軽にスタート
- 保管・管理が不要
- NISAの非課税メリットを活かせる
デメリット
- 為替の影響を受ける(ドル建て価格×円相場)
- 実物を手元に持てない
👉 長期の守りパーツとしてNISAポートフォリオに組み入れるのが王道。
③ ETF(上場投資信託)で持つ
「SPDR ゴールド・ミニシェアーズ(GLDM)」など、金価格に連動するETFを株式のように売買する方法です。
証券会社の口座があれば、1万円台から買えるのが特徴。
メリット
- 実物に近い値動きで流動性が高い
- 売買コストが低く、少額投資も簡単
- 24時間いつでも価格を確認できる
デメリット
- NISAでは「成長投資枠」のみ対象
- 為替影響・取引手数料あり
👉 「投信よりダイレクトに金価格を取りたい」人に向く手法です。
💡 まとめ
金(ゴールド)は、現物・投信・ETFの3段構成で自分の目的に合わせて選べます。
少額で始めたいなら「投信」、価格を直接取りに行くなら「ETF」、確実に残したいなら「実物」。
この3つを理解して使い分けるだけで、防衛資産としての完成度が一気に上がります。
金(ゴールド)をポートフォリオにどう組み入れるか
金(ゴールド)は値上がり益を狙う資産ではなく、資産全体を守るクッションです。
そのため、どのくらいの比率で持つかがとても重要になります。多すぎると成長力が落ち、少なすぎると防衛力が足りません。
結論から言えば、全体の5〜15%を目安に組み入れるのがバランスのよい考え方です。
💡 ゴールドを組み入れる3つのタイプ別モデル
| タイプ | 特徴 | ゴールド比率 | 主な組み合わせ例 | おすすめ対象 |
|---|---|---|---|---|
| 🟢 初心者・安定重視 | まずはリスクを抑えて“守りの柱”をつくる | 5〜10% | オルカン/S&P500+ピクテ・ゴールド | NISAで初めて金を組み入れる人 |
| ⚖️ バランス型 | 株とゴールドを両輪にしてリスクを分散 | 10〜12% | S&P500+GLDM/ピクテ・ゴールド | 株式リスクを一定抑えたい人 |
| 🔴 上級者・分散重視 | 為替・地政学リスクも織り込んで運用 | 12〜15% | VTI/QQQ+GLDM+外貨預金 | 複数通貨や海外ETFで運用する人 |
💬 ポイント
- ゴールドは「下がらない資産」ではなく、「下落時に支えてくれる資産」
- 長期投資では 5〜15%の防衛ライン が最も効果的
- NISAの 成長投資枠 を使えば、非課税で保有できる
👉 ゴールドを主役にする必要はありません。ただし、入れるか入れないかで長期の安定性が大きく変わることは覚えておきましょう。
金(ゴールド)投資のリスクと注意点|万能ではない守り資産の現実
どんなに安定して見えるゴールド(金)も、「ノーリスク」ではありません。
むしろ、金を完璧な安全資産と思い込んでしまうことが、一番のリスクになります。
✅ 1. 金利が上がるときは価格が下がりやすい
金は利息や配当を生まない資産です。
そのため、アメリカなどで金利が上がる局面では、「金を持つよりドルを持った方が得」と考える投資家が増え、短期的に価格が下落することがあります。
💬 金は「低金利・インフレ局面」に強く、「高金利局面」ではやや弱い。
✅ 2. 為替リスクがある(円建てでは上下が大きくなる)
金はドル建てで取引されているため、円安・円高の影響を強く受けます。
ドルベースでは横ばいでも、円高になると日本円での金価格は下がることがあります。
とくに「ドル高・円高」が同時に起きた局面では、思ったより値動きが荒くなりやすい点に注意が必要です。
✅ 3. 長期では「株ほどリターンは伸びない」
ゴールドはあくまで「守る資産」です。
配当・成長・複利の恩恵を受けられないため、長期リターンでは株式やREITに劣る可能性があります。
したがって、ポートフォリオ全体で見たときには、資産の10%前後を目安に保有するのが現実的です。
💡 ポイント
- 金は「安全資産」ではあるが、「万能資産」ではない
- 株や外貨資産と組み合わせて、全体でリスクを調整するのが正解
- ゴールド単体ではなく、NISAなどの非課税口座で他資産とバランスを取ることが重要
NISAで金(ゴールド)に投資する方法|つみたて枠・成長枠の違い
2024年から始まった新NISAでは、金(ゴールド)も「成長投資枠」を使えば購入できます。
✅ つみたて投資枠では「金ファンド」は対象外
つみたて枠は、金融庁が認めた長期・分散・低コストのインデックスファンドに限定されています。
そのため、値動きが大きい「コモディティ(商品)」である金ファンドは、原則として対象外です。
💬 つまり、金(ゴールド)に投資するなら成長投資枠を使うことになります。
✅ 成長投資枠なら、投信・ETFどちらもOK
成長投資枠では「投資信託」も「ETF」も自由に選べます。金を運用する代表的な商品は、以下の2タイプです。
| 種別 | 商品名 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 投資信託 | ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし) | 金価格に連動するアクティブファンド | 少額・自動積立OK。NISA対応。長期の守り資産に最適 |
| ETF | SPDR ゴールド・ミニシェアーズ(GLDM) | 実際の金価格に連動するETF | 株のように売買でき、リアルタイムで価格反映。流動性が高い |
どちらを選んでも、NISAの非課税メリットを活かしながら「円安・物価高対策の守り」を組み込むことができます。
💡 投資スタイル別おすすめ
| 目的・スタイル | 向いている商品 | 理由 |
|---|---|---|
| 🪙 手軽に始めたい(長期積立重視) | ピクテ・ゴールド(投信) | 少額から積立でき、NISA対応。非課税で守りを強化できる |
| ⚖️ 価格変動をリアルに取りたい(値動き重視) | GLDM(ETF) | 金価格にほぼ連動。売買タイミングを自分で調整できる |
| 🧩 分散効果を高めたい(ポートフォリオ最適化) | 投信+ETFの併用 | 為替と流動性を分散。長期防衛+短期リターンを両立 |
💬 NISA活用のコツ
- 成長投資枠で購入し、「売らずに保有」するのが鉄則
- 非課税の恩恵を受けながら、他の資産(株・外貨)とのバランスを取る
- 配当や分配金が出ない分、「値動き+防衛効果」でトータルを狙う
📝 まとめ|金(ゴールド)は資産を守る仕組みの中核
ゴールドは「増やす資産」ではなく、「価値を守る資産」。
円安・インフレ・株価下落といった外部要因に左右されにくく、長期ポートフォリオの安定装置として機能します。
💡 ポイント整理
- 円安・物価高の局面では、ゴールドが盾として機能
- 投資信託やETFを使えば、NISAでも非課税で保有可能
- 5〜10%を目安に長期でキープすることで防衛力が上がる
👉 次のステップ
ゴールドで「物価上昇や世界不安の守り」をつくっても、円安という通貨そのものの弱さまでは補えません。
ここを埋める役割を持つのが外貨です。外貨を少し混ぜておくだけで、
- 円高でも安く買える
- 円安では資産が自然に守られる
- 金利差(スワップ)が毎日積み上がる
といった通貨の防衛力が加わります。
そして外貨を持つ方法はいくつかありますが、その中でも 外貨そのものを最も簡単に、低コストで、長期向けに育てられるのが積立FX。
- 外貨預金より手数料が安い
- 外貨MMFほど複雑ではない
- レバレッジ1倍なら外貨預金と同じ安全性
こうした理由から、外貨の入り口として最も扱いやすいのが積立FXです。
ゴールドで「物の防衛」、外貨で「通貨の防衛」。この2つが揃うと、インフレと円安の両方に強い、安心できる資産バランスが整います。
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