ASEANインフラ投資の波 #3|「スマート化の裏側」でASEAN都市を動かす日本企業とは?

[はじめに]スマート都市インフラの“目に見えない最前線”
ASEANインフラ投資シリーズの第3弾へようこそ。
これまでの記事では、建設機械(日工)や流体制御(キッツ)といった、「上流」「中流」の企業を取り上げてきました。
では都市インフラの“出口”──つまり実際に機能を発揮する「ラストワンマイル」の部分では、どんな企業が活躍しているのでしょうか?
答えの一つは、「スマートインフラ」を支える日本のセンサー企業にあります。
[ASEANの都市化とスマート制御の広がり]
ASEANでは経済成長と人口集中を背景に、都市インフラのスマート化が加速しています。
交通、ビル、防犯、水道、電力など、従来は人手やアナログで管理されていた領域が、センサーとIoT技術によって見えないかたちで制御され始めているのです。
こうしたスマート制御の普及により、ASEAN各地では「効率的かつ安全な都市運営」が求められるようになってきました。
そこで活躍しているのが、実は日本の精密センサー技術なのです。
スマートインフラの導入は、単なる“効率化”だけでなく、現地での人手不足や省力化ニーズ、さらには防犯や災害対策の観点でも重視されつつあります。
たとえば、地下設備の遠隔監視や、出入りの検知によるセキュリティ強化など、“見えない場所を、見える化する”という役割が求められているのです。
こうした背景があるからこそ、現場の厳しい環境でも使えるセンサー、つまり“信頼できる制御技術”を提供するオプテックスのような企業に注目が集まっているのだと感じます。
[注目企業]ASEAN都市インフラを“動かす”オプテックス
今回注目するのは、センサー専業メーカーのオプテックス(6914)です。
赤外線やマイクロ波などを使い、人やモノの動きを検知したり、過酷な現場環境でも水質などを正確に測定したり──。
このような「目に見えない制御」を担うことで、都市インフラの最前線を支えている企業です。
しかもオプテックスは、「誤作動しない・壊れにくい・現場に馴染む」という特性を徹底して磨き、安価な海外製センサーとは一線を画す独自路線を貫いています。
これはまさに、日本の現場技術・品質信頼性がASEANの都市開発と噛み合った好例と言えるでしょう。
[成長の構造]高収益・M&A・ニッチ戦略が生む強さ
オプテックスは、高い利益率を維持しながら、堅実な配当政策とM&Aによる事業拡張も展開しています。
IoT・自動化・省人化といった長期トレンドと連動する位置づけにあり、都市インフラやセキュリティ市場の拡大とともに、ニッチ分野での強みをじわじわ伸ばしている印象です。
[続きはnoteで解説]財務内容や株価評価を詳しく分析
この企業の中期経営計画や財務体質、株価バリュエーションについては、noteで詳しく解説しています。
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[シリーズ紹介]ASEANインフラ投資の波
このブログでは、ASEANで成長を続ける都市インフラ市場と、それに静かに貢献する日本企業をシリーズでご紹介しています。
- #1:日工|建設機械でインフラ整備を支える
- #2:キッツ|都市インフラの“中身”に強みを持つ
- #3:オプテックス|“見えない制御”で都市を動かす ←今回


[おわりに]“スマート化”という視点で見えてくる未来の投資先
センサーや制御という、一見地味な分野にも、大きな成長テーマが潜んでいます。
これからも「見えにくいけど確かな成長」を感じる企業に注目し、構造的な視点から投資先を選んでいきたいと思います。
あなたの「理由ある投資」の一助となれば嬉しいです。