ASEANインフラ投資の波 #1|いま注目すべき“次の成長市場”とは?

[はじめに]ASEANインフラ投資の波が来ている?
株式市場では、米国のAIブームや日経平均の高値更新が注目される中、わたしがいま注目しているのは「ASEAN(東南アジア)圏のインフラ投資」です。
かつて「次の中国」として脚光を浴びたASEAN諸国ですが、コロナ禍や中国経済の減速などの影響で、近年はやや過小評価されてきた印象もあります。ですがいま、あらためて構造的な成長の波が見え始めています。
とくにインフラ投資分野では、開発途上アジアで年間約1.7兆ドル(約190兆円)、ASEANだけでも年間約2,100億ドル(約26兆円)もの資金需要が2030〜2040年まで続くと予測されており、長期トレンドとしても魅力的なテーマです。
[東南アジアの現状]経済成長とインフラ需要の高まり
ASEANの中でも、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどはGDP成長率5〜7%を維持しており、経済の勢いは健在です。その一方で、都市化の進行に伴い、以下のようなインフラ需要が高まっています。
- 道路・港湾など物流インフラの整備
- 水道・電力など基幹インフラの拡充
- 地方都市の再開発やメガシティ化
アジア開発銀行(ADB)などの試算によれば、今後も年率数兆円単位でのインフラ投資が続く見通しです。まさに“食いっぱぐれない”テーマと言えるでしょう。
[関連分野への波及]建機・プラントへの実需が到来
こうしたインフラ整備の波は、建設機械やプラント設備などの分野にも大きな追い風をもたらします。アスファルトプラントや道路機械、セメント関連設備といったインフラ初期段階に必要な製品は、各プロジェクトの立ち上がりと同時に需要が発生します。
このとき重要になるのは以下の要素です:
- 現地での長期利用に耐える堅牢性
- 高温多湿への適応性
- 現地語に対応したメンテナンス体制
こうした要件を満たせる企業は限られており、長年の実績と技術をもつ日系企業が有利なポジションを占めています。
[中堅企業の強み]大手が入らない“中規模案件”に特化
特に注目すべきは、大手が入りづらい中規模プロジェクトにおける中堅企業の活躍です。
すでにASEANで20年以上の事業経験を持つ企業も多く、現地法人や販売代理店網を築き、以下のような戦略で安定収益を確保しています:
- 現地調達によるコスト競争力の確保
- 設置から保守までの一貫対応
- 公共案件の効率的な対応力
IR資料や中期経営計画を読み解くと、「表には出ないが、ASEAN依存度を高めてきた堅実企業」が見えてきます。
こういう「地味だけど、しぶとく強い」企業って、実はけっこう好きなんです。
市場ではあまり注目されていなくても、ASEANという確かな流れを先に捉えて、着実に地盤を築いてきた──
そんな企業が、今こそ報われつつあるように感じています。

[続きはnoteで]ASEANで地道に成長を続ける企業を紹介中
本記事では、ASEANインフラ投資の構造を整理しました。
実際にこの波を捉えて業績を伸ばしている“あの企業”については、
以下のnote記事で詳しくご紹介しています。

ぜひ、あなたの「理由ある投資」の一助となれば嬉しいです。